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2017年2月19日日曜日

「話を聞いて!」にどこまで耳を傾けるのか

昨日も「えるそる むなかた」での学習サポートでした。

S君とのやり取りは、僕にとっても、学びの多い時間。
考えることの多い時間。

最近の様子から、個別に近い体制で学習を見たい、という旨をスタッフさんにお伝えして、昨日はガッツリとS君と向き合ってみました。

「聞いて聞いて!」という想いをたーくさん持っている彼。

その溢れんばかりの想いを聞いて、パンパンに膨らんだ風船のような彼の気持ちを少しガス抜きすることから、入りました。

話が出てくる出てくる(笑)

また、自分の話だけでなく、周りの様子を逃さず反応する反応する(笑)

目の前の僕を含めて誰かが何かを発すれば、それをキャッチして、持ち前の明るさとユーモアで、サラダボウルでサラダを作るようにサッと和えて、寿司職人さながらに「へい!お待ち!」という具合で反応を返す。

そんなイメージのやり取りをしていく彼。

学習を初めても、その調子だからなかなか進みません。
時間ばかり流れ、本人も「あぁ、疲れた」「量が多い!(これは話していて進まないことによる錯覚ですが笑)」と、楽しそうに話している割りに困り感を滲ませ始めました。

「そうなんだ」「へぇ」と、身を乗り出すような姿勢で僕も話を聞いていました。
「聞いているよ」「ちゃんと見ているよ」を彼にも分かりやすく伝えたくて、そういう姿勢を取ったのですが。

「話しやすさ」というところでは、そのくらいの姿勢を見せることは成功でした。
ただ、「話させ過ぎた」感が出てきてしまった訳です。

お喋りのブレーキが掛からなくなってしまった感じでした。

さて…どうするかな…

ここでちょっと発想を変えてみました。
「話したいことが溢れている」のではなく「お喋りが止められない」「落ち着けない」という困り感なのでは?と。

で、それまで僕も机に肘を着くようにして話を聞きながら、時折「口だけ動いて手を動かさないから、進まないんじゃん(笑)」とやること、やっていることを指差しで示す、という手段を取っていました。
それを僕が正座をして背筋を伸ばして彼との距離も数十センチ離れ、手も膝に置くように座り直しました。
それでも話を急に打ち切るのは乱暴な感じがしたので、相槌は変わらず打ち続けました。

すると少しずつ、彼のトーンが落ちてきました。
それまで3文字書いてはお喋り(笑)くらいだったものが、室内に鉛筆の筆記音だけが聞こえるくらいに変わってきました。

するとあっという間に課題を終えて「終わったー!」と満面の笑みでガッツポーズをS君は見せてくれました。

「すごい集中だったやんか!カッコ良かった」とバックしてあげたら「えっへん」と胸を張っていました。
彼の成功体験として返せてあげたかな?

子どもの話を聞いてあげることは、大切なこと。

でも、子どもによっては話すことが止められず、しなくてはいけないことに向かい切れずに困り感を抱えている子もいるのです。

愚痴を話し出して止まらなくなる、ということをご自身で経験したり、他の人の愚痴に延々と付き合わされたことのある人は多いでしょう。
それに近い感じです。

そういうときには、ブレーキをかけさせる、というのも支援としてはあり得るのではないでしょうか?

今回の彼の場合は結果、「すごい集中して、学習出来た」という体験を残せましたし。

さて、次の一手を準備始めますか♪

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