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2020年8月29日土曜日

職業支援者だからこそ取りやすい手立て

中学生の男の子。

学校生活が上手くいっておらず、学習機会がどんどん減っていると言うことで、保護者が心配しているケースです。
実際、遅刻や早退、欠席が増えており、学校に行っても離席が多くなっていて授業を受ける、という感じではなくなっているようです。

本人が「やりたいけれどやれない」ということを口にしていたこともあり、一時期は「それならゆっくりで良いから一緒にやろうよ。0か100というものが求められるようなものではないんだから、10でも1でもやって帰れば良いじゃないか」という声かけをしていた時期もありますが、なんだかしっくりきませんでした。

そこで思い切って路線変更しました。

僕との学習でも離席をしようがお喋りしようが「勉強しよう」という類いの言葉は使わないようにしました。

離席したら、それを僕はひたすら目で追い(彼は離席すると身体を揺らしながら近くを歩き回ります)、彼がこちらを見たときには、うっすら口元で笑みを作り“見ているよ”のサインを送ります。

また、彼のお喋りはとてもマニアックで、僕もなかなか理解できないような話題が含まれていることもしょっちゅうです。
(プラモデル、戦闘機、列車、船、ネットで見つけたある地方のローカル番組にハマっていてそれについてのこと…などなど)

そういう話題についていけずとも、ただただ聞き手に徹します。
突然話し始めるから、何の話題なのか掴むのに時間がかかることもあります。
そうやって分からなくとも、「うんうん」「そうなんだね」と相槌を打ち続けます(内心は、??何の話?と僕はパニックに近いんですがw)。


こういうことを2ヶ月半、続けてきています。
彼は週に2回は僕と過ごすので、もう、かれこれ20回くらいはそのようにして過ごしているかも知れません。

結局支援として何もしていないのでは?という疑問や焦りがないわけではありませんでしたが、彼が安心したり満足したりすることを目指して、時間を使ってきました。

それが少しずつ成果として現れてきているのかも知れません。

ここ2~3回、途中で離席をすることはあるものの、学習量は増えてきました。

いつも設定時間の数分前に到着する彼に、この2ヶ月半は「今○時だよ」と設定時間になったことだけは告げてきていました。
最初は声をかけても、聞こえているのかいないのか分からなくなるほど、反応が薄く、時間の間ズルズルしてしまうこともありました。

でも、少しずつ少しずつ、そのズルズルが短くなってきて、今日は60分の間に、45分は着席してワークの問題を解いたり、教科書を黙読したりしていました。
45分と言ったら、学校の授業1コマとほとんど変わらないほどです。

もしかしたら、まだ学校のようにチャイムでハッキリと区切られたようなリズムには乗りにくいかも知れませんが「これだけの時間、学習に取り組める」ということの証明にはなります。

その事実を彼自身に言葉にして返して、自分自身に対するイメージを変えていくことが当面のこちらのすべきことかな、と思っているところです。

彼が自分を好きになれるようにする、これがこちらの狙い。

ついつい“目に見える(見えやすい)何か”を手立てとして講じたくなるものですが、これをしたり出来たりするのは、職業支援者だからだと思います。
家族でしにくいことこそ職業支援者が手立てにしていきたいものです。

2020年8月28日金曜日

動作の要素を見ていく癖をつける

例えば授業の板書をノートに写すと言うことを取ってみても、「見る」「覚える」「書く」ということが必要です。

黒板を見る
書いてあることを覚える
ノートを見る(ノート全体、運筆の前後の軌道)
ノートに書く

という具合に作業はいくつもあります。

加えて、

着席しておく
姿勢を保持する

ということも必要だったりします。
(僕個人はさほど気にしないので、机に突っ伏すような姿勢でも許容することもあります。)


同じ、板書をノートに写すということが苦手でも、どの段階で躓きがあるのか?で当然アプローチの仕方は変わります。

運筆が苦手でスピードが追いつかず、ノートが書けない子に「ちゃんと見て書く」と言っても、その子は見ていて、書くものは分かっているけれどスピードが多い付いていないわけですから、アドバイスとしては的外れなわけです。

極端な例を挙げましたが、このことを見るのはとても大切だと思います。
それが見えると、“学習”の取り組み方も変わります。

いわゆる教科学習でなくても、こういうことが見えると机上で遊びをしながら学習サポートが成立することもあります。


子どもを対象にした支援とかサポートと言われるものは、いずれ外せるものは外していく、ということを意識しておかないといけませんから、それに向けたものを提供していくことが大切です。

その子の一生に寄り添うくらいの心持ちで仕事はしていますが、彼らが成長していき、世界が広がっていく中で、どこにでもついて行くわけにも行きませんし。

2020年8月23日日曜日

しりとりを通して見える成長

一緒に学習をしている小学校高学年の男の子。
軽度の知的障害を持っている彼は、「お友達とたくさんおしゃべりしたい」という願いをよく口にしていました。
でも語彙が少なく、上手く友達に自分の伝えたいことが伝わらないという現状がありました。

そこで、学習サポートの時間の一部を使って、尻取りをしています。
それも一緒に学習を始めた3年前から、学習の度に毎回少しずつ。

毎回、紙に交互に言葉を書き合う形式を取っています。
(短期記憶の問題とか、平仮名、片仮名、漢字の表記の違いを使い分ける目的とかのため)

そんな彼、最初の頃は本当に言葉が出てこなくて、出てきても全て平仮名で書いていましたが(当時は低学年だから当然だったのですが、習った漢字とかカタカナが使いこなせていませんでした)、最近は、目を見張るような語彙力を見せてくれます。
また、表記もほぼ間違わずに書きます。
たまに耳で覚え間違った単語を書きますが、その修正も可能になりました。
これも以前は、ガンコに「こうだよ!」と怒り出すこともありましたが、「そうなんだ」と新しいことを知ることに意欲的です。

それから、彼自身の成長だから、尻取りの効果があるかは分かりませんが、「友達とね~」と彼の話の中に友達とのコミュニケーションの話題が増えてきたこともとても喜ばしいです。

単なる暇つぶしや遊びで無くて、意図を持って行うと尻取りでもいろんなことを狙ったり、成長を見つけられたりするものです。

それを通して学習サポートを展開するのが、楽しくて仕方ないのです。

2020年8月20日木曜日

「ぐるんぱに行きたい」

ちょうど1年くらい前に、2ヶ月間だけ学習サポートで関わっていた男の子。

当時は保護者の意向が強く、彼の中では「お母さんが行けって言うから」来ていた感じでした。
けれど中学校に入学して、学習が難しく(彼は小学校の時には特別支援学級に在籍し、中学校では通常級に在籍していることもあり)、本人から「ぐるんぱに行きたい」と言い出したとのことでサポートを今月から再開しました。

嬉しい限りです。

久しぶりに会った彼は、やっぱり彼のままで、なんだかホッとしました^^


いざと言う時に思い出してもらえて、彼のそばに居られるという事。

そんな彼へ学習サポートを“どう”提供するのか?
彼と“どう”過ごすのか?

丁寧に考えながらこれからの時間を共有していきたいと思います。

2020年8月18日火曜日

“流れ”に乗るようにして、これからの在り方を探る

盆休みも明けて、昨日から通常運転に戻っています。
(といっても、相変わらずぐるんぱのプール活動はお休み中なので、完全な通常運転とは言えないかも知れませんが)

これまでも考えてこなかったわけでは無いけれど、いよいよ本腰を入れて、これからのぐるんぱの在り方について考えなくてはいけないと思い、いろんなことを調べたり、人に話を聞きに行ったりすることが多くなっています。

それに付随して、いつもとは違う仕事を請け負ったり、勉強をしたりもしています。

ぐるんぱのこれまでのことを振り返って、ついついそれと比べてしまうこともありますが、これまで“流れ”に乗るようにして事業展開もだし、僕自身も生きてきました。
多分“流れ”を敏感に感じてそれに柔軟さを見せるのが僕自身の良さであるとも感じています。

なので、この数ヶ月の出来事も“流れ”と考えて、その“流れ”の先を目指すことが必要なのかも知れません。

“流れ”に乗ることは、これまでの積み重ねたものを捨てるわけでは無い、という手応えは、そこそこ感じられています。



Amazonの欲しいものリスト公開しています。
ぐるんぱの活動に必要であったり、展開していく上で欲しいと考えているものです。

2020年8月10日月曜日

「出来るようになっているでしょう?」

ご家庭の事情もあり、数週間ぶりに学習をした小学校高学年のS君。

数週間合わないと、本当に久しぶりな感じになるのでしょう。
会うなり「僕ね、もう5年生になったんだよ。お兄さんになって、計算も上手になったよ」と。

7月の上旬にはあっているから、学年が進級してからも会っているんですけれどね♪
それでも「そうなんだね。またよろしくね」と伝えました。

「なら、今日は見てて!分からないところは聞くかも知れないけれど、出来るようになっているから!」

と、持参してきた小学校から出されている夏休みの宿題である算数プリントを広げて始めました。

プリントの作りが彼には少し難しいようで、手こずる感じがありましたが、「この問題は出来るから少し待ってて」と頑張っていました。

そして時間はかかりましたが、自力で一問解けました。

「ほら、出来るようになっているでしょう?」とうれしそうに胸を張っていました。

自分で自分の成長を感じながら、数週間過ごしていたのだな、と思うと本当にこちらまでうれしくなりました。

2020年8月8日土曜日

“待つ”って“間を持つ”こと

中学生男子との学習。

“待つ”というのは、実に大変な作業です。
特に“いつまで”が見えないと辛く、歯がゆいものにもなりがちです。

ですが、“間を持つ”という風に考えると、途端にその時間が一つの手立てになります。


支援者や周囲が“待たされる”ではなく、“間を持つことをしている”という見方を出来るようになると、みんながラクになります。

なんと言えば良いのでしょうか?
「積極的に何も(見えること)はしない」みたいな(笑)?

こういう時間はたくさん子どもを観察できて面白いです。
情報をとにかくとにかく集められて。


そうして“間を持って”いくと、“その子”のことが見えてきます。

すると、支援は上手くいきます。

今日は、40分“間を持つ”ことで、彼が「自分で学習できた」という実感を持って帰らせてあげることが出来ました。

その“間”に、本当によくお喋りをしました。


教科学習を進めること≠学習支援

です。

支援者がいなくても自分の興味関心や意欲をもって、世界を広げていけるようになる、その土台を作るのが、ぐるんぱの学習支援。




療育活動の今後の展開に、こんなものを探しています。


2020年8月6日木曜日

Amazon欲しいものリスト

今、コロナのこともあり、これまでの活動とはまた違う展開も考えています。
その中で、どうしても必要な物品があります。
Amazonの欲しいものリストを利用して一覧にしてみました。

持ってるけど使わない!
ぐるんぱを応援してやる!

という方がいらっしゃれば是非。
大切に使わせていただきます。

https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/DT9YT7OKFBSB?ref_=wl_share

浜辺に願いを

昨日の午前中、放課後等デイサービス えるそる むなかたのサポートの一環で、子どもたちを海へ連れて行くのに同行しました。

すると途中で、4年生の男の子が波打ち際に棒切れを使って「コロナ」と書いていました。
そして、波が寄せてきて、書いた文字が消えて…
男の子「コロナ、消えた!これで大丈夫!」

と。

子どもたちなりに、この状況に窮屈さや不安を覚えており、大人を気遣い生活をしています。

もう、なんと言うか、素直で健気で…彼の“願い”なんでしょうね。

こういう子どもたちがたくさんいます。
彼らのこういう“声”に耳を傾けるくらいのことはしてあげたいと思います。

そしてもう一人、同じく4年生の別の男の子は、水着で砂浜に寝転び、せっせと自分に砂を掛けておりました。
それも股間に(^^;

男の子「ほら~!この中でオレのチ◯コが1番大きいばい!先生のよりもでっかくなった!先生の小っさ!」

と😂(爆)

これも小柄な彼なりの“願い”なんでしょうね~。

どっちも好きなんです❤️