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2020年10月17日土曜日

例年とは違う配慮と工夫で行われた保育園運動会

今日の午前中は、息子の保育園の運動会の参観に行ってきました。

例年とは違い3~5歳のいわゆる以上児クラスのみ。
午前中だけで終わるというプログラムでした。

実は今年、父母の会の会長をしているのですが、例年は父母の会としてもお手伝いがいくつかあるのですが、それもかなり縮小されました。

少し前に園の先生とお話をしていたときも、実施の有無、やるならどのようにして開催するか…いろいろと苦慮していらっしゃる様子が見られました。

それでも実施を決めてくださり、本当に多くの工夫と配慮を重ねて頂き(そのためには例年以上の会議も重ねていたことと思います)、僕ら保護者は我が子の成長を見る機会を貰えました。

本当にありがたいことです。
感謝しかありません。


少し用具の出し入れなど、お手伝いする場面もありましたが、聞こえてくる先生方の声の温かいこと。
先生同士のコミュニケーションも、例年と違うためかいろいろと大変そうではありましたが、それが子どもたちに向けられることは無く、ただただ子どもたちは、それぞれの自分らしくあれば良いという、安心感の中で待機したり演技や競技したり出来ていたように、僕の目には映りました。

これこそ工夫と配慮です。

先生方、本当にありがとうございました。
そしてお疲れ様でした。

2020年10月15日木曜日

なぜゲームに向かうのか

スマホゲーム、ポータブルゲーム…ツールは様々ですが、ゲームに夢中になる子どもは少なくありません。
僕が関わっている子どもたちの中にも、ゲームが好きな子がいます。

中1の男の子と話をしているとき。

「小遣いを(スマホゲームの)課金に使っちゃいけないと言われる…」と悔しげに語り始めました。

親に禁止をされるから、いろいろと“抜け道”を考えもするようです。
なんでも『ギフト』と呼ばれるシステムがゲーム上にあり、ゲーム上の友人に課金アイテムを譲渡できるシステムのようです。

友達に“おごり”、その友達から同額程度の課金アイテムを『ギフト』で受け取る。

実際には、お金のトラブルが怖いからしない、とのことでしたが(この感覚を持っているのは少し安心)、なんとか課金アイテムを得られないか思考を巡らせているようです。


さて、僕の関心としては、「なぜそこまでしてゲームに注力して、強くなりたいのか?」というところです。

チーム“感”。
そこへの貢献“感”。
それと、ゲームで勝つことで得られる優越“感”。


「俺、学校では、運動も下手な方だし、勉強も出来んやん?ゲームも下手なんよね、正直。アイテムな無いと全然勝てないんよ。でも課金アイテムあったらゲームで勝てて、同じクラン(チームのことらしいです)の人たちから『サンキュー』とか『ナイス』って言われるし、『かっこいい』って言われるとうれしいんよね」

だそうです。

現実の日常生活の中での、劣等感や孤立感が、「お金さえ掛ければなんとかなるかも」というゲームに向かわせるのでしょう。


個人的には、とても悲しいし、そうでないところへ向かって欲しいと願っています。

でも、その彼の感じていることと話してくれたことを否定しても、何にもなりいません。

なので、あの手この手を尽くして、彼がゲームで得て満たそうとしている“感じ”を、一緒の時間に味わえるようにしていく工夫を講じていきます。

ぐるんぱの学習支援は、こういうことも含んでいます。

2020年10月13日火曜日

“うっかり”を演じながら

小学校3年生の男の子とのプール。

彼は、“忘れもの”が目立つ子です。
何か一つ取り組むと、何かを忘れてしまうことが多いです。

更衣の場面でも、途中で一緒になった方から挨拶をされると、荷物の片付け忘れや、靴下の脱ぎ忘れみたいなことが生じます。

プールでも、泳ぎ方の確認をするとゴーグルをかけ忘れて泳ぎ始めて「うわぁ、忘れてた」ということが、ままあります。


そこで、“うっかり”を緩やかにするために、僕が“うっかり”を演じてみています。
彼が忘れがちなことを僕が演じます。
それを彼が笑いながら指摘してきます。
彼自身が「先生、靴下!」「先生、タオル忘れてる」みたいに口に出します。
そして僕は「あぁ、うっかりしてた。一つずつ確認しないとね」と自分に言い聞かせるふりをして彼にメッセージを送ります。

これをしていくと、自分の忘れがちなことを、僕への指摘を通して確認できるので、そのことを忘れなくなってきました。
少しずつ振り返りをするようになってきました。


ずっとプールがお休みだったのですが、プールを再開してまた、こういうやり取りが戻ってきました。
笑いながら、楽しみながら。

プールだけど、泳ぐこと以外にもたくさん狙いを持ってやり取りは可能なんですよね。


2020年10月10日土曜日

人を感じることが出来れば、意欲が沸いてくるもの

学校の授業になかなか参加できていない、という中学男子。

一緒に学習の時間を過ごしていても、しばらくは着席できず周囲をぐるぐると歩き回っています。
声をかけずにいると、直に少し離れたところに一人で腰を掛けてしまうこともあります。

ですが、それは「声をかけずにいると」という場合です。

「学習とかせんでも良いから、こっちに来て、もう少し近くで一緒にすごそうよ」と声をかけると、直にこちらに来ます。

それから僕はしばらくは、積極的な関わりは意識的に減らします。

「傍で過ごす」ということに応じてくれたので、この先は少し彼に舵取りを委ねて、「彼がどう過ごしたいのか」を見極めます。

すると、彼は話をし出します。
自分の好きな話を取り留めもなく。
僕はその話を興味深く聞き、相槌を打つのみ。

彼の表情がイキイキしてきます。
一人でウロウロとしているときには無表情だったのが、です。

彼の話は興味深いですが、マニアックすぎて僕には少し…というかメチャクチャ難しいです。
それでトンチンカンな質問や初歩的な質問をしたり、曖昧な相槌をしてしまう僕に気遣ってかみ砕いて話をし直してくれたりします。

相手が同じレベルで会話が出来るとか、理解を示してくれるとか、彼にはそういうのは重要ではなくて、彼自身を受け入れる姿勢を示してくれることが、彼には重要なのでしょうね。


彼は、そうやってある程度(かなり)喋って、満足感を得ると、促さずとも持参した学習道具を開いて、学習をし出します。
そして、分からないところは自分で調べて取り組みもします。
それでも分からなかったり、更に興味を持ったりすると、僕に尋ねてきます。

学校では登校しても、もう何ヶ月もほとんど学習が出来ていない、教室にいてもほとんど席に着かず教室の片隅に作られた“休憩スペース(という名の一人になる部屋で、僕はそれが彼を孤立させるものになっているように見える)”でほとんど横になって過ごしていると言う話です。

でも、こうやって僕との週に2時間の学習では、確実にワークを2ページ取り組めています。
短時間、ということはあるかもしれません。
でも、遅刻して早退してくることも少なくない彼。
その短い時間でも学校では出来ていないということを考えると、出来ない理由があるはずなんです。
あるいはしたくない理由が。


僕が、していることと言えば、ただ彼のお喋りに耳を傾けること。
それで学習機会が作れるのです。
「やらせる」ではなく、「一緒に過ごす」先に彼が学びを得ていきます。

2020年10月9日金曜日

告知はしつこいくらいで良い

「こんなに告知やら宣伝をして迷惑かな?」で、お知らせを止める人は、「そうまでして成功させなくても良い」という裏返しの表れ。

「成功させたい」と思うなら、ルールが許す範囲で、あの手この手していけば良い。

実施して、上手くいくかいかないか、というのは、また別の企画力の問題。
上手くいかなかったなら、それは練り直し!
練り直せば良いだけ。

でもその前に、周知してもらわないことには、そもそも企画が無いのと一緒。

デイ・ワークセンターこみこみ、利用者募集中です。

いよいよ来月開所の見込みとなった「デイ・ワークセンターこみこみ」。

就労継続支援B型と自立訓練の多機能型です。
どちらも利用者をまだまだ募集中です。

B型の方は、ラーメン店の店舗運営、というのが一番の特色ですが、ラーメン店の運営と一言で言っても「仕込み」「調理」「接客」「清掃」「帳票作成」など作業内容は幅広くあります。
利用者の希望はもちろん、機能面などを職員で見立てながら、お仕事をお願いしていきます。
機能の評価を得意とする理学療法士と、僕自身が培ってきた経験とを合わせながら環境設定を丁寧に行い、気持ちよく仕事をしていける環境を整えていきます。
他にも、当事業所の名前の由来にもなっている「コミュニティ」も大切に、地域とのつながりも創出していき、開けた事業運営を目指します。
知的障害、発達障がい、精神疾患(鬱、アルコール依存症なども可)などのために、一般就労が困難という方が対象となります。


もう一つの、自立訓練は、対象が少し異なります。
一般就労を含めて就労に向けた訓練や、安定した日常生活を目指す人が対象となります。
例えば、ケガや病気で長期入院していた方の日常生活、社会復帰のためのステップとして利用いただけます。
事業所内には運動器具も入れていきますし、周辺は散歩などにも適した環境ですので機能訓練も行っていく予定です。
また、就労という次のステップを見据えたときには、ワークライフバランスを取っていくことが、とても大切だと考えています。
そのために、余暇活動の開拓などのお手伝いもしていきます。
就労などは、短期的な話ではないので、息抜きを上手にしていきながら、「その人らしく」働き続けられることが必要ですから。

また、どちらの事業も、必要に応じてパソコン教室やビジネスマナーの勉強会や相談会なども開催しながら、豊かな日常に向かえるサポートをしていきます。

人間、生涯発達ですから♪


10月19日以降は、見学もして頂きやすくなります。

利用も見学も、お問い合わせは相談お気軽にどうぞ。

これからの学びを考える機会として

 昨夜はZOOMで「個別最適な学び勉強会」という学びの機会を頂きました。

感じたことや考えたことを記録代わりに残しておきまduす。

一晩寝かして、少しまとまってきました。


・「集団」の在り方。

日本はまだまだ「作業」「活動」に注目して、「集団への所属感の有無を図る」傾向や風土が根強い気がします。

もう少し“いる”ということに注目しても良いのではないか?という感じが改めてしました。

英語を使うと例えやすいかも。

「doing」よりも「being」。

動きというよりも存在感。

そういうことを大切にして、人同士のつながりを感じながら「過ごす」。

その先に「その子が主体的に」学ぶ機会が創出できるのではないかな?


・教育者あるいは支援者も「集団の一員」

途中でとある映像を見て、そこには大人と子どもが「一緒」に過ごす様子が。

もちろん大人が、一定のリーダーシップを取りつつではあると思いますが、「子どもたち“に”」何かを「させている」のではなく、「子どもたち“と”」何かを通して「過ごしている」というように僕には見えました。

お互いに気づきを得ていく、というイメージかもしれません。


・どれだけ「視点」を持てるか?

主語をどれだけ増やせるか?ということを考えています。

「この子」「あの子」「私」「活動」「時間」…主語を変えていくイメージで、とにかく「視点」を多く持ち、習慣とか前例とかにとらわれず、多様な「考え方」をして、大人は場にいることが大切だと思いました。

だまし絵を眺めるようにして、他に何が見えるかな?みたいなスタンスで、場づくりを心掛けることが必要かと。


・何よりもまずは「楽しい」が必要。

好きこそものの上手なれ。

そもそも学びや学習といったものは何のためにあるのか?

僕個人は「人生を豊かにしていく為」にするものだと考えています。

その「人生の豊かさ」というのはそれこそ多様で、その人自身が選択していくもの。

ただいきなり「あなたはどうしますか?」ということを丸投げしても、迷うばかりだから、初めは「こんな選択肢もあるよ」という提案をして、その先に「こういうのもあるかも」と、その人自身が知っていけるようになれば良いのかも、と思います。

そういう気づきに必要なのが「楽しい」。

その子が自分の人生をワクワクしながら想像していけるくらい「楽しい」学びの機会を。

例え重度の障がいを持っていても、個々の生活や人生を満足感の得られるものにしていく為に健全な「楽しさ」を学習機会に演出していくようなことが必要かもしれません。


学習や学びの根本を忘れずにしていく必要がありそうです。


もっと時間を掛けて、いろいろなものと照らし合わせながら、消化していきたいと思います。

取り急ぎ、記録として書いておきました。

2020年10月6日火曜日

“何をするか?”ではなく“どう考えるか?”

プールでも学習でも、もちろんそれ以外のことでもそうですが、活動自体について何をするか?と考えること自体も大切かも知れませんが、それ以上に「活動を通して見える姿から、どう考えるか?」が支援者としては大切なように思います。

例えばぐるんぱのプール活動では、1時間の中でどのようにしてレッスン自体を展開するか?というある程度の定型を用意しています。
(もちろん、それを子ども毎、その日毎に少しずつアレンジはします)
似た内容(例えば泳ぐプログラムとしては同じことをする)でも、その活動から見えるもの、その活動を通して狙うことは違います。

同じことをしていても狙いが違う、そうすると支援としては全く違うまなざしを持ちながら子どもたちと関わっていき、時間を過ごすことになります。

分かりやすく言うなら、「ダイエット目的で泳ぐ」と「好きな趣味で泳ぐ」とでは、同じ「泳ぐ」という活動を通しつつも狙いが違うわけです。
そうすると負荷の掛け方だって、変わってくることは分かりますよね?

支援でも、同じ活動をしていても支援者がどう見て何を狙うかということさえハッキリしていれば、集団の中で多様な支援を展開することが可能になります。
「この子にはここを」「この子はここを」と気に掛けるところを変えることで、必要な配慮が行き届き、みんなで過ごすことが可能になるはずです。

そのためには、やはり支援者がさりげないエスコートで、子どもたち青年たちを中心にしながら場を作っていくことが大切なように思います。

2020年10月3日土曜日

「プールたのしい」「プールたのしい」

 先日の記事にも記載した通り、今月から少しずつプール活動を再開していきます。

ようやくレッスンを行えるくらいまでに規制が緩みました。

まだ、他のサークルや教室との兼ね合いで、お休みいただく時間があるものの、保護者の皆さんにご連絡したところ、「楽しみです」「嬉しいです」「待っていました」とお返事を頂けることはとても励みになります。

そんな中、昨日、再開一発目のレッスンを実施しました。


中学生のEちゃん。

お母さんと共にプールに現れた彼女は、とても足軽で、一目で「嬉しそう」というのが分かりました。

いざプールに入ったら、とても落ち着いた様子で、今までやっていたことを一切忘れずに、まるで先週もプールをしたかのように、しなやかに過ごしていました。

バタ足、背泳ぎ、平泳ぎ、クロール、バタフライ…

これらを組み合わせながら、45分くらいの入水時間の間に700メートルも泳いで帰りました。

レッスンを終えて、ロビーで合流すると、彼女はロビーで跳ねながら、お母さんの顔を覗き込むようにして、お話していました。

何を言っているのかな?と思って近づくと「プールたのしい」「プールたのしい」と繰り返し口にしていました。


もう、この姿は感動しました。

本当に再開できてよかったです。


お母さんも彼女の様子を見て、うっすら目に涙を浮かべていました。

僕にとっても長い長い数か月でしたが、きっと彼女にとっても長い長い数か月だったのでしょうね。

本当にお待たせしました。

また楽しみながらお付き合いしていきましょう。

余暇をひろげて、深めていきましょうね。