ちょっと前の記事で忘れ物の多い子のランドセルに仕掛けを用意したという話を書きました。
その記事はこちら
その後の様子を保護者と子ども本人に確認し続けています。
保護者からは、今のところ忘れ物もせずに行けているとのことでした。
よしよし。
子どもからは「ちょっと邪魔なんよね」と(笑)
それはそうかもなぁ。
それから、これは嬉しい言葉も。
「実は3回宿題忘れたっちゃんね」と言い出したので、え?と驚いて聞いてみたら、宿題を終わらせて、持っていくのもバッチリ、だけど朝、自主的に提出することを忘れてしまって、先生に「出してない人いない?」と聞かれるまで出すのを忘れていたとのことでした。
そのくらい良いじゃないのぉ♪
そういう日もあるよ。
それに聞いてみたら、その日は荷物が多く(運動会の練習もあるし)、机に整理するのに時間がかかってしまい、ランドセルから出した宿題を他のものと一緒に誤って机に入れてしまったとのこと。
カバンから出す段階では覚えていたらしいのです。
それをどうしたら良いかな?と尋ねてくるのですから、すごいぞぉ。
良いじゃないのぉ♪
「別に忘れ物しても良い」くらいのニュアンスの話をして開き直っていた子が、自分の癖に気が付いて、3回のミスを気にして「どうしたらいいかなぁ」と考え始めているというのは、個人的には良い兆しじゃないかと思っています。
忘れ物をしたことを別に必要以上に悲観するわけでもなく「先生が来たときに相談しようと思っててさ」と打ち明けてくれたみたいです。
状況を聞けば聞くほど、彼自身も工夫を重ねているようだし、そもそも自分の持ち物、忘れ物への向き合い方が変わってきているのが目に見えて分かるので、あの仕掛けをしてみて良かったなぁ、と改めて思っています。
一緒に学習しているときに見せる彼のものの扱い方も変わってきています。
「手の届くところにないなら借りてしまえ」くらいのところがあったのですが、自分のものを「ほらぁ」と誇らしげに見せてきますし、モノへの愛着が育っているように思います。
もうしばらく様子を見つつ、あの仕掛けを外す段取りも趣味レーションしていきたいと思います。
忘れ物が減って、彼自身が気づけるようになっていく段取りを。
1985年生まれ福岡県宗像市在住。西南学院大学国際文化学部卒業。 2008年福岡県警察に入職するが突発性難聴を発症し退職。 難聴や精神の落ち込みを様々なサポートで乗り越え、支援者という立場に回りたいと考え、2009年障がい児者支援団体に就職。障がい児者に療育的プール活動と学習支援活動を提供する指導員として勤務。 2016年福岡県宗像市で療育活動を提供する知的・発達障がい児者支援団体「ぐるんぱ」設立。知的・発達障がい児者、その他困り感を抱える子どもたちへの療育的プール活動と学習支援活動、福祉事業所顧問、保護者学習会主催などの事業を展開。一般企業へも発達障がい啓発・対応研修も行う。 「オムツの取れなかった10歳児がプールを始めて3か月でオムツが取れた」「家庭学習が定着した」「自傷・他害行為が減った」「従業員の仕事効率が上がった」など各家庭や社会生活に寄り添う支援を実践。 お問い合わせは、下記のいずれかへどうぞ。 メール:gurunpa.munakata@gmail.com 電話:090-5724-0660 ぐるんぱHP:http://gurunpa-munakata.jimdo.com/
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2018年5月17日木曜日
2018年4月26日木曜日
忘れ物をしたくない、という願いに寄り添って道具作り
1枚目が表。
2枚目が裏。
3枚目は実際に設置したもの。
学習サポートで関わっている男の子。
彼は忘れ物が多いということに困り感を抱えています。
お母さんとのお話の中で、これまでの忘れ物に関するエピソードをいろいろと聞かせていただきました。
もちろん、それに対してメモを用意するなどの対策は講じてきたとのこと。

ここ最近では、新年度で配布物、提出物が多いのですが、それらをお母さんに渡すことも忘れてしまい、提出物もそのまま持ち帰ってきてしまうということを繰り返していたようです。
連絡帳にお便りを書いても提出し忘れることがあり、保護者と先生との意思疎通にも支障が少し出ていたとのことです。
連絡帳の記入する事も忘れて帰ってきてしまい、宿題が分からない、提出期限が分からない、その他の連絡事項が分からないということも頻発していたようです。
結局お母さんが学校に電話して…ということになってしまっていたらしいのですが、今後のことを考えても、こういうところを解消していきたいというのが、本人とお母さんの希望でした。
そこでなんとか手立てがないものか?と思い、先日の学習サポートの時間の中で、子ども本人と話をして、これまでにしてきた取り組みについて聞き、朝学校についてからの様子を聞き…朝はどうやらお友達と遊びたいという気持ちが先走って、カバンの中身を机に移す時には既に、目線が他へ向いてしまう、中身を確認せずにまとめて机に入れてしまうということが見えてきました。
帰りには、みんなが連絡帳を書いている時間にもついついお喋りをしていたり(本人曰く、他の子はおしゃべりしながら書いているようだけど、自分は書けないでいるそうです)、先生の話を聞きながら書くという事にも難しさを抱えていたりするようでした。
そこで、「カバンから目を離すと朝も帰りも支度が出来ない」という一手間を挟んでもらうことにしました。
これで、嫌でも目に入るかな?と。
これまでメモをカバンに貼ったり、連絡帳に貼ったりしてきたものが機能してこなかったようなので、もう少し存在感のある仕掛けである必要性を感じました。
そこで、この形。
表面の右半分に朝に確認すること。
左半分に帰りの支度時に確認すること。
裏面は、翌日の準備をするときに確認すること。
という形で、用意してみました。
(チェックばかり、というのが少々気になるけれど、習慣が身に着くまで…本人も気にしているし)と言い聞かせて作りました。
マグネットシートに油性ペンで必要事項を書き、その日ごとに忘れたくないものは、ホワイトボードマーカーで記入するという形式を採ります。
固定するものも、ネックストラップを採用。
原則ランドセルですが、遠足のように普段と違うバッグを使う時にある程度使いまわしが出来ることを考えて。
製作開始当初は、紙に書いたものをラミネート加工して、釣り糸のような目立たないもので固定ということを考えましたが、作ってみたら軽くて、カバンの開け閉めの勢いに釣られて、確認せずともカバンの中身が丸見えになって蓋の機能を果たしませんでした。
そこで重みのあるマグネットシートに。
あとは使い勝手を見ながら修正の必要性があったら多少手を加えるということも考えてますが、それは追々。
とりあえず、本人も使用することに抵抗を示さずに、「これならいけるかも」という前向きな気持ちでカバンに着けてくれたようで良かったです。
目立てば良いというものでも無くて、本人が嫌がらないものであることはとても大切です。
提出物等は恐らく、習慣づけば道具なしでも出来るようになってくるであろう子です。
習慣づくまでのサポートアイテムです。
ある程度の時間を置いて、様子を見たら次は、アイテムを外すための段取りを考えていきます。
そこまでしていかなくてはこれも意味がないのです。
道具が出来た、で終わりではなくて、ここから。
2016年5月23日月曜日
子どももこちらもガチで向き合うために
当然、と言えば当然なんですが…子どもとは基本的にガチで向き合っちゃいます(笑)
先日、「えるそる むなかた」で学習支援に入っていた際に子どもに塗り絵を提供しました。
その場でリクエストを聞いて、ちょっとしたイラストを塗り絵用に描いてあげて、塗らせて見せたところ、こちらが思っていた以上に丁寧に取り組んでくれました。
いやぁ、嬉しかった。
子どもによって線の太さを変えてあげたり、塗る面積を区分けしてあげたりして…
(この日は子どもの得意、不得意が見られればいいなぁ、と思っていました)
そのイラストを作る際に子どもの目の前でするわけです。
自分たちが取り組む塗り絵の土台が目の前で出来上がっていく様子を見せてあげるんです。
こちらもそれなりに真剣にイラストを描いていきます。
その姿を見てもらうんです。
すると、その一生懸命さに必ず子どもは応えてくれます。
(自分で「一生懸命」なんて厚かましいですが)
塗り終わって「こんなにきれいに最後までやったの初めてかも」という言葉を言ってくれるんですよ。
僕にとっては最高の言葉でした。
決して僕も絵が上手ではないし、工作が得意でもないんです。
多少不格好でも、「僕(わたし)のためのたった一つの」という部分は必ず伝わると信じています。
そして、それに夢中に一生懸命に向かってくれてこそ、子どもたちの地力が見えるとも思っています。
そうして見えた姿に、どう働きかけるか考えていく、僕の仕事ってそこなんだと思います。
楽しいし、これは前職場で学んだ、僕にとって大切なものでもあります。
こういうことを学ばせてもらった職場には本当に感謝をしています。
もう一つ、教材を手作りすると良いことがあります。
こちらも逃げずに真剣になれるということですかね。
教材を作ろうと思ったら手間も時間もある程度必要です。
もちろん塗り絵のイラストくらいだったら数分なものですが、場合によっては数時間費やすことだって出てきます。
それを子どもに提供するんです。
自分の費やした手間暇を無駄にさせるものか!と真剣になります。
例えば、塗り絵一つにしても途中で「やっぱり、あっちが良い!」と隣の芝が青く見えちゃう子は結構います。
そんな時に「しょうがないなぁ…」とならずにいられます(笑)
「まだ終わってなーい」と張り合って、仕上げさせるというか自分のことに向き合わせる根気が湧いてくるんです。
子どもたちにとって勿体ないってだけでなくて、正直(待て待てっ!準備大変だったんだから投げ出すんじゃない、大事にせんかい!)くらいのことを思っていたりします(笑)
基本的に僕、ドライな部分もあるから、自分の作ったものじゃなかったら、張り合えないこともあるだろうなぁ、と感じることも多いわけです。
手作りは大変だけど、楽しいです!
ちなみに、一般科目については、書店に並んでいる参考書なんかを使うことも多いですが、やっぱりそれで不足するときにはイラストを描いたり、物を用意したり、たとえ話を引っ張ってきたりして…ハンドメイド感が出てきます。
「えるそる むなかた」で子どもから貰った言葉は、手作りする意欲が湧いてくる、本当に嬉しい言葉でした。
…ようやく書けた。
一昨日から、書きたかったのにゆっくりブログ書けなくて、後回しになっちゃってました。
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2016年3月15日火曜日
手作り時計大作戦!
今日は朝から工作に励んでおりました。
と言うのも、「本物の時計で時間が分かるように」ということを目標にしている子がいまして。
プリントでは出来る。
でも実物ではなかなか…。
以前の記事でも「こんな時計なかなか売っていない」とボヤキましたが…。
無いなら作っちまえ!
と、工作をしました。
と言っても針と文字盤程度ですが。
100円均一で、時計を買ってきて、分解しちゃいました。
文字盤を取り外して、自作した文字盤を入れ替えて。
・一分単位で数字を記入(青色で)。
・「ここからここまでが○時」と分かるように中心部に区分け(オレンジ)
元々黒かった針に文字盤に対応した色を付けて。
・長針は青色。
・短針はオレンジ。
秒針は元々あった赤のまま使用。
学習教材の模型ではこういうのあったりするのですが、本物の時計ではなかなか見つけるのも大変ですが、100円均一の作りが簡単な時計の「失敗しても大丈夫」「手軽に分解できる」という安心感に支えられて、自作してみました。
うん、なかなかいい感じ。
これがスタート。
文字盤は、今かなり具体化したもので、プリント教材の問題と同レベルくらいまで書き出しています。
プリントと現物をまずマッチングして、この文字盤で時計に親しむことからスタートしてみたらどうかな?と。
時間とか時刻という概念に触れてもらいます。
こういう概念は触れないことには身に付かないですからね。
次の段階としては、本人の様子を見ながらになりますが、具体化されている文字盤のどこかをいじっていって、徐々に徐々に2枚目の写真のように「普通の時計」に近づけて行けたらいいな、と思っています。
もしかしたら針の色を黒に戻すかもしれないし、文字盤の「○時」と言うエリアを省くかもしれないし、「分」の数字を取るかもしれないし…まぁ、これは様子見ですが。
この「様子見」が大切。
時計を見る時だけでなくて、本人のいろんな場面を見ながら、視覚の使い方を見ていきます。
でないと判断できないですから。
A→Bにいければ、もちろんいいですが、人によってはA´→A´´→Bの人もいます。
行ったり来たりを繰り返す時期もあるかもしれません。
手作りだから次の段階へのステップアップも自由にいじれますからね。
一足飛びじゃ絶対に身に付かないから。
これとタイマーとセットにして使ってもいいかも、といろいろ作戦を練っています。
100円均一、良いですよ(笑)
アレンジしやすいですからね。
「100円均一をオシャレにアレンジ」みたいなのが流行っていたりしますが、オシャレだけでなくて、こういう使い方も出来るので。
もちろん、これでも上手くいくかわからないですが、やってみないことには分からないですからね。
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