スケジュールの兼ね合いでしばらくお休みを頂いていたキッズクローバーひかりが丘でのサポート。
久々に行ったのですが子どもたちは、この気まぐれに現れる謎のオッサンに対して、何も変わることなくありのままの姿を見せてくれます。
僕が来なかった間の出来事を聞かせてくれたり、こんなことが出来るようになったと報告してくれたり、今のマイブームについてユーモラスに伝えてきてくれたり…とてもかわいい子どもたちの姿がありました。
そんな中で、一人の女の子が庭にあるプランターを観察している様子を発見。
何やら紙とペン、それから定規まで持って本格的に観察をしているようでした。
植えてあるのは数種類の野菜だったようです。
観察を終えた彼女が僕のところへ来て、「見て。見て。これ」と観察記録を書いた紙を見せてくれました。
白い紙にカラーマジックで線を引いて、絵と文章が書き込めるようになっていました。
そこには「トマト」「しんちょ(身長)26センチ」「花 〇こ」「実 〇こ」という風に細かく彼女から見たトマトの姿が描かれていました。
他にも同様の記録をした野菜の様子についても見せてくれました。
とても嬉しそうに。
しかも2週間前からの変化も分かるようにちゃんとファイリングもされていました。
「観察、しとるとぉ」と話す彼女の表情はとてもかわいらしかったです。
指導員の方とお話をしていたら、なんでも「ただゆっくりと過ごすことが多くなっていた彼女に何か、ということで野菜を植えてみることを提案した」とのことでした。
何を植えるか?というところから彼女と話を決めて、彼女が植えて、来所の都度記録を取っているようです。
そこまですれば、そりゃあ、その植物に愛着も湧きますよね。
嬉しそうなはずです。
なんて言ったって、キッズクローバーの庭にあるにもかかわらず、間違いなく「彼女の野菜」ですから。
そして、指導員の方たちから、彼女は「農業隊長」と呼ばれています。
これもまた、彼女からしたら嬉しいのでしょう。
その証拠に「わたし農業隊長だから」と言って、誇らしげにしています。
そして、収穫したラディッシュを「はい、あげる」と僕に分けてくれました。
とても可愛い、採りたての、根っこにまだ土もついているラディッシュをくれました。
一人の子どものためにプランター数個を用意して、そこに野菜を植えて…それだけでもう、そこは彼女にとって特別になりますよね。
そこに「農業隊長」ですから。
記録用紙も自分で作ったようです。
ちょっとしたお膳立てをしてあげるだけで、「ただ過ごしていた」時間が特別になるのです。
素敵だな、と心から思いました。
自由というのは選べてこそ、だと思います。
どうしても何もかもという訳には、なかなかいきませんが、「こういうこともあるよ」「ああいうこともあるよ」という選択肢を示せるだけ示した中で、その子が選択する過ごし方。
これだと思います。
選択肢も提案せず「どうぞご自由に」と放り出されても困ってしまうことがあるのです。
「こういう過ごし方があるよ」「ああいう過ごし方があるよ」「それとも・・・?」
となれればいいのかな?
こちらが提案した過ごし方、あるいは自分でそれらとは違う過ごし方を選択できること。
彼女は提案された中で野菜を育てることを選択して、自分の過ごし方の流れの中で、誰に言われるでもなく、自分のタイミングで決して無理することなく、観察をし続けているようです。
とても大切な時間だと思います。
じゃあ、ぐるんぱではどんな提案で、どんな過ごし方を選択できるようにしていくのか。
考え続けていきたい問題です。
農業隊長、夏休みにはどんな姿を見せてくれるのか楽しみです。
0 件のコメント:
コメントを投稿