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2018年7月8日日曜日

はじめまして!ではないけれど

今日は夕方、男の子がプールの体験に来ました。
M君。
彼とは放課後等デイサービスでの学習サポートに入っているときに出会ったので、かれこれ2年前からの付き合いです。
彼のお母さんとも、何がきっかけだったかな?忘れてしまいましたが、時々メールをしてM君の様子などについて共有をさせていただいていたので、これまたそこそこのお付き合い。
なので初めまして感はほとんどない中でしたが、やはりぐるんぱの生徒として関わるのは初めてだったので、僕もドキドキでした。
(多分、M君もお母さんもそうだったのでしょうね)

夕方、雨がまた降り出したころ、傘をさしてM君、お母さん、妹ちゃんたちがやってきました。
今日の第一印象は、「M君、張り切っているな」でした。
前のめりで、早く入りたがって「まぁまぁ」という声掛けと共にレッスンスタート。

更衣室で着替える間も「プール入ります」「先生と一緒に入ります」と言いながらでした。
ただ、着替えが進むにつれてその声が少しずつ“硬く”なってきていたように感じました。
なので、玄関で挨拶したときよりか一回りトーンを落として「うん、そうだよ」と声をかけながら着替えをしていきました。

プールに入る前にトイレに行くか確認するも、「行かない」とのことだったので、シャワーを浴びて体操をして…いざ入水。

最初は「いや、いや、こわーい」「先生抱っこ」「あぶない」「あははは」プール室中に響く声量でこんな類の言葉と笑い声を繰り返していました。

この時彼の不安材料は「プールの深さの見当がつかない」「レッスンの流れがまだ分からない」ということがメインでした。
それは当然ですよね、初めてだから。
これまで“お勉強の先生”だった僕とプールで付き合うことになったから、どんな風に付き合えば良いのかも分からないですし。

それから「ビート板の使い方が分からない」ということもあったようです。
ビート板を持つことを「いらない」と言っていましたし。
(あの濡れたビート板の感触もそもそも独特で、決して気持ちいいものではないと思いますし)

いずれも“分からない”ことだらけによるものだったので、彼にどんな時間なのかを知ってもらえれば大丈夫だと判断しました。

周りの人も「お、初めての子だね」と声をかけてくれたり「大丈夫だよ、この先生優しいから」と言ってくれたり(照)して、大きな声量で不安を表現する彼に寄り添ってくれたこともあり、直に僕も知る彼らしさを見せてくれるようになりました。


もちろん彼自身の頑張りが大きいのですが、彼の“やりたいこと”を織り交ぜながら、今日はビート板でのバタ足をひたすら繰り返しました。

「25メートル泳いでプールサイドに設定したゴールにタッチをして折り返す」というこのルールだけ持ち帰って欲しいと思いましたから。

この間に、計ったように2周ごとにトイレに行きたがり、おしっこをしてまた戻る、ということをしながら、彼自身も心の準備を進めているようでした。

少しずつ、声のトーンも落ちついてきて、気が付いたら、自分の手でビート板を握って、足をバタバタさせていました。
ビート板キックの入り口です。

足が一回でも水を蹴ったら「出来たね?」としつこいくらいに確認をして、最初は自信なさげに小さな「はい」だったのが、次第に「出来た」と口に出せるようになり、僕にしがみつくようにして丸めていた身体も最後の方にはゆったりと使えるようになっていました。

いくら僕が「そうそう、その調子」と言っても、本人が「よし」と思えなくては意味がないですから、僕の中でこの確認はかなり重要でした。

「これで良いんだ」ということを存分に味わって帰ってもらえたかな?と思っているところです。

今日の様子から感じたことは「彼は泳ぎたいんだ」ということ。
泳ぐことのイメージは持っているようです。
ただ、まだ経験がないからドキドキもする。
当然です。
これからもステップアップの度に「え?次は何するの?どんなふうになるの?」というドキドキはやってくると思いますが、「永田とならやってみても良いかな?」と感じてもらえるような関係を作ることがまずは第一だと考えています。

余暇に繋げるためのレッスンですから。
別に競技で記録を残すためにするのではないですから。
もちろん東京オリンピックを目指す、ような期限があるわけでもないですから。
ゆっくり、味わいながら。

彼と僕が一緒に、今の立ち位置と、これまでの軌跡と、これから歩む道筋とを一緒に見ていけたらそれでOKだと思っています。
そんな付き合いをしていきたいものです。


まずは今日のM君との時間の全体像をブログに残しておきます。
また、別記事で、細かく彼の心が落ち着く模様を泳ぎの部分を中心に書いていきたいとも思っています。

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