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2020年2月29日土曜日

視覚優位なのか?聴覚優位なのか?


子どもたちのことを見立てていく上で、まずは「視覚優位」なのか「聴覚優位」なのか?という見極めについて書いてみようと思います。

つまり、その子が「目で見た方が分かりやすいタイプ」なのか?「耳で聞いた方が分かりやすいタイプ」なのか?ということです。


これを見極めることで、手立ての絞り方がグッと楽になります。


例えば、聴覚優位の子に絵カードなどの視覚的な援助をしてもあまり効果を期待できません。反対に言葉で順序だてて説明することで理解が深まることは期待できるかもしれません。

視覚優位の子に対して、言葉をつらつらと並べて説明しても結局理解が深まらず、伝わっていないということになりかねないですが、
今例に出した絵カードなどの資格的な援助がとても効果的である可能性は大いにあります。


では、実際にどうやってその見極めを行うのか?ということですが、視覚優位の子は、目で見たものをイメージとして覚えることが得意です。
全体像を印象でとらえるようにしていることが多いです。細部よりも全体のバランス、という感じにも周囲には映るかもしれません。
それから、砂遊びやブロック、ドミノ倒しのような遊びに夢中になることも多いように思います。

聴覚優位の子は、耳で聞いたものを覚えたりアウトプットすることが得意なことが多いです。
細部にこだわる、という傾向も強いことが多いかもしれません。
なので、会話の中のちょっとしたキーワードに反応をしたり、周囲が聞き流すようなものに反応を示して真似をするようなこともあるかもしれません。
あそびだと、歌やしりとりのような言語を使う遊びに夢中になることがあるかもしれません。


もう少しそれぞれについて分かりやすくするために、事例を紹介します。
僕が実際に支援で関わった、ある2人の男の子の話です。

2人ともそれぞれ電車が大好きです。
それで、居住地域の沿線の駅名を覚えているのですが、その覚え方が全く違います。

2人を仮にA君、B君とします。
A君は視覚優位で、駅名を路線図を見て覚えていきました。
B君は聴覚優位で、駅名を電車内のアナウンスと併せて覚えていました。

こういう違いがあるのです。

これだけ駅名を覚えるという一つの結果に対するプロセスが違う訳ですから、支援の手立てだってそれぞれに変えなくてはなかなか効果が期待できません。


ですので、まず目の前の子どもの支援や配慮を考える時には、その子が視覚優位の子なのか聴覚優位の子なのかを考えてみてはいかがでしょうか?


そして「その子」ということはとても大切です。
例えば自閉症スペクトラムという障がい特性だと、よく「視覚優位であることが多い」ということが言われますが、そのことが「その子」にも当てはまるのかな?ということを考えることからが大切だと思います。

今回の視覚優位、聴覚優位の話に限らず、子どもの姿を見極めていくということは、全ての支援の基本だと思います。

事前情報として障がいの診断名などが伝えられたとしても、あくまで「そういう傾向をもっている可能性がある」程度にとどめておくと良いかもしれません。

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