昨日は木曜日で、木曜日は50歳の青年とのプール。
いつも彼の通所する作業所に迎えに行き、プールを行い、ご自宅へ送り届けるということをまるっと請け負っています。
昨日、作業所に迎えに行くと支援員さんから「今日は午後から少し機嫌が悪いようです」と報告がありました。
理由は分からないとのことで、「昼頃から数回急に怒り出していた」ということです。
確かにイライラしているようで、指を噛んでいました。
彼がこれまでにも怒り出すという場面は見てきましたが、指を噛むというのがイライラの消化の手段の一つになっているようです。
ただ、「プール行く」ということは言っていて、恐らく行けると思うということでしたので、取り敢えずは向かってみることに。
彼が車に乗り、支援員さんとちょっとした引継ぎをして出発。
車を走らせて30秒くらい…作業所の敷地を出るくらいの頃に、気持ちが溢れるようにして足を揺らし始め、次第に強くなり「うーーー!!あーーー!!!」と声を上げ始めました。
2、3分、そうして何かを発散していたように見えました。
プールまでの移動時間は約10分なのですが、その間に、このようなことを2回繰り返していました。
プールの駐車場に到着し「プール行けそうですか?」と尋ねると、やはり「プール行く」と応えてくれたので、車を降りプールへ向かいました。
歩いているときにも声を荒げることがあり、足取りも踏み鳴らすようにしていました。
受付を済ませ、更衣室内で着替えているときにもずっと声を出していて、周りの彼を知っている方たちも「今日はどうしたんだろうね?」と声をかけにきてくださいました。
プールに入水して水中歩行している間(昨日は40分くらい入っていました)にも、複数回声を上げて、水を叩いて水しぶきを上げる場面がありました。
この頃から、怒っている時には目に見えて顔色が悪くなるので、「上がりましょうか」ということを提案するも全力で拒否。
やはり2、3分すると治まり、顔色も戻るのです。
そして40分くらい経ったら、自分でプールから上がることを選びました。
プールサイドを歩く時も、更衣室に戻ってからもイライライライラ…
更衣室ではまた随分と大きな声を出していました。
本当に何があったのだろう。
帰りの車の中でもやはり、声を上げ、足を鳴らし、終いには車の前列シートを掴み(彼は後部座席に座っています)激しく揺らしてきました。
これはさすがに運転に危ない、と思い車を止めて「それは危ないです!」とさすがにこちらも全力で伝えます。
彼は言葉が少なく、身体にも麻痺があり、表現の方法が少ないので、いろんなことを溜め混んでしまうのでしょう。
その発散は必要です。
しかし、車の運転中に、運転手にまでその影響が出る出し方は、本当に危ない。
真剣に伝えました。
しばらくして彼の気持ちの波が1つ過ぎたところで運転を再開しました。
すると直にまた出始めました。
ただし、さっきまでとは出し方が違いました。
溢れる気持ちはどうしようもないけれど、その表出の仕方をなんとかしたい、という葛藤が窺えました。
何が正しいのかは分からないけれど、伝えないのは失礼だというのが僕の、ある種の流儀。
僕はこう思います、と。
そこからやり取りが始まると思うのです。
彼もくたびれたでしょう。
いやぁ、僕も短い時間だったけど、あの時間はしんどかった(笑)
でもきっと次につながる、そう思える時間でした。
いえ、そうしたいのです。
彼に何かあったのか、それとも体調のためなのか、生活リズムのためか(どうやら眠りは浅いようです)…
虫の居所が悪い、ということってありますよね。
そう、決して特別なことではないのです。
彼の表現の手段が限られていて、“目立つ”表出だというだけなのです。
次までに考えに考え抜いて、彼の気持ちがどうあったのかもう少し近づけたら…
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