小学校低学年の プールに来ている男の子。
もともと感覚過敏を持っており、首から上に水がかかることを最初は嫌がっていました。
それでもしぶしぶ自分で浴びられますし、泳ぐ時には顔も水に浸けられます。
プールはとっても頑張っていて、着実に泳げるようにもなってきましたし、とても楽しんで通ってきてくれています。
そうすると、感覚過敏も目に見える様子はちょっと和らぎます。
ところで、この感覚過敏って本人は大変だし、その大変さって本人にしか分からない大変さだとも思います。
そして、傍から見ると矛盾を感じることもたくさんで不思議だし、人によってはそういう様子にいら立ちすら覚えるかもしれません。
僕ももしこんな仕事をしていなくて、こういう事に出会ったらイラッとすることもあったかもしれません。
さて、話を戻します。
この子も、感覚過敏で矛盾のような様子が見られます。
顔に水がかかるのが嫌なようですが、場面によっては自ら水を顔にかけます。
いろんな様子を見てきました。
顔の部位によってそういう様子があるのかな?と思っていた時期もありますが、そうではなくて場面のようです。
昨日もプールのレッスン中何度かその矛盾に似た様子が見られました。
かなり過敏の様子は和らいできましたが、昨日はちょっと疲れていたようです。
(詳しくは聞かなかったけど、前日にいつもと違う場所で眠っていたとのことで、テンションが爆上がりだったようで、恐らくそれが原因)
すると、久しぶりに過敏の様子がたくさん見られました。
少し顔が濡れただけでそれを気にしていました。
そして、ここで過敏の矛盾が見えました。
ここまで書くと、顔が濡れたことを嫌がって顔を拭う、ということを予測する人も多いと思うのです。
でも彼は違います。
顔が濡れたことを嫌がって、プールの水を手ですくって、目の周りに塗るようにするんです。
不思議だと思いませんか?
意図しない刺激に対しては過敏を示し、意図的な刺激へは耐性があるんです。
感覚に関する困り感って、重複していたり、矛盾していたり…
そういう事がかなりの確率であります。
この大変さは、人によって違うので同じ世界はなかなか見ることが出来ないものだと思います。
それでも「大変さについて一緒に考える」ことは出来るかもしれません。
どういうことやどういう場面でそれが見えるのか?
情報をもとに環境を整えると、その子の過ごしやすさにつながるかもしれません。
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