ページビューの合計

2018年3月1日木曜日

自信っていきなり失うものでも無くて、徐々に摩滅していくようなものなのかも

昨年11月ころからかな?
ある子の様子が気になっています。

小学5年生の男の子。
彼とは放課後等デイサービスえるそるむなかたの学習サポートで時間を共にします。

多分、最初に気になり始めたのは書字が乱れ始めたことでした。
一緒に算数の宿題をしていても、数字が読めないことが増えてきました。
まるで走り書きのメモのように急いで書いていて、「この数字読めないよ」と声をかけることが増えてきました。
その乱れが、ひっ算のミスを呼び込んでいて、イライラを募らせる姿も見てきました。
それを感じたから口うるさく思われても、「ゆっくりでも良いから読める字を心掛けよう」ということを伝えてきました。

書字の次は、離席が増えてきました。
ちょっとした周囲の様子に、過剰にリアクションを示すようになり、別室からわずかに聞こえてくるお喋りにツッコミを入れに行くことも出てきました。
別室の子どもはいきなり現れた彼からのツッコミにポカーン。
本人は満足げなのですが(笑)
これだけを見ると悪いことでもない(放課後の自由な時間の中での学習だし)ですが、問題の途中だろうが何だろうが行ってしまうので、戻ってきたときには「あれ?」となっていたり、目の前でしていたやり取りも全て置いて行ってしまうことが増えてきました。
次第に、宿題をする際も常に中腰でやるようになってきて、益々集中を欠くようになってミスも増え「あーー」「なーんーでー」と、のどを詰まらせるような、唸るような、喉を締め付けるようにして声をもらうことが増えてきました。
こうなると、いよいよ気になってきます。
なので、「まずはこっち」「また分からなくなるぞー」「腰を下ろしてしてごらん」ということを伝えてきました。

いずれの場面でも宿題を終えたときや苦手だと“思い込んで”いた問題が解けたときの嬉しそうな表情を見ると、そう的外れな手立てでもなかったと思ってきました。
僕との学習を終えて、友達と遊び始めた頃にはうまい具合に友達との輪に入れていたようにも見えましたし。
だけど、なかなか僕の“気になる”は払拭できずに来ていました。

そうしたら年明けから、洋服を前後反対に着て学校から帰ってくることが出てきました。
(僕が平日に彼と会うのは、週に1度という頻度にもかかわらず、1月から4回は確認しています)
“きちんと”という表現を使うと変かもしれないけれど、衣服は“きちんと”着て欲しいと、個人的には願っています。
昨年は、僕が知る限りほとんどそういう事がありませんでしたし、前後が分からない、という子でもないので。
(衣服の着こなしで“あの子…”というような見られ方をさせてはいけないと思っていますし、こういうところを周囲の大人は見過ごしてはいけないとも思っています)

こういうものが進む傍ら、計算ドリルの式を自分で書いていたものが、別の人に書いてもらうことも出てきたり、宿題として課される量もどんどん減ってきていました。
(自分でするのを億劫がるようになってきていましたから、それに合わせたサポートだったのかもしれないけれど、僕は頼まれても頑として「自分で書いてね」という態度を取ってきました)

前置きがずいぶん長くなってしまいましたが…そういう“気になる”ことの先にあったのが昨日の学習サポートの時間だったのかもしれないのです。

いつものように計算ドリルの宿題を始めていた彼ですが、彼からお呼びがかかりました。
行ってみると少数の割り算のひっ算に取り組んでいました。
余りも出ない問題だったので、小数点さえ気を付ければ普通のひっ算とさほどやり方も変わりません。

計算自体は彼にとって難しいものではないはずなのです。
(実際、昨日は計算ミスはほとんどありませんでした)

けれど、以前は全問が終わった後に「答え合わせお願いします」だったのが、昨日は一問終わるごとに「合ってますか?」と尋ねてきました。
問題によっては、商の位が立つ度に確認を求めてきます。

答えはやはり合っていて、間違いはほとんど起こりませんでしたし、僕が確認をしようとしたところで「あ!」と自分で直すこともできていたのです。
だけど、頻繁に不安気な、小さな声で「合っていますか?」と尋ねてきます。

彼の自信の無さ、心細さ、そんなものを感じました。

僕の元に届く情報の限り、“自信を奪うようなインパクトの強い失敗”があったということは見聞きしていません。
ちょっとした日々の過ごし方の中で、自信をすり減らすようにしていたのではないかな?と、やはり“気になる”のです。

その時々ではベターな選択をしてきたつもりですが、こうやって長期的に振り返ると、自分の声掛けや手立ても含めて、何か抜け落ちがなかったか?落ち度がなかったか?と考えてみています。

仮に「彼の成長の一環」という見方をしていくにしても、やはり彼のことは温かく見守りたいと思いますし、彼が安心感で満たされるよう、「傍にいるよ」を伝える方法をいろいろと探していきたいと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿