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2017年11月12日日曜日

精一杯の主張

ある小学校中学年男子の話。
彼は知的障がいを伴う自閉症を持っています。
発語はほとんどありません。

それでもちょっとしたジェスチャー等を本人は使うし、こちらの言葉、指示は概ね理解してくれるので、コミュニケーションの術は豊富にあります。

プールをしていても、1つずつ噛み砕いて伝えていけば、それについてこようとする意志を見せてくれます。
彼も分からないときには表情で伝えてきてくれます。

それでも、やはり言語で伝えられないストレスというのはあるのだと思います。

僕も100%汲み取れているか?と問われれば答えはNOだと思います。
もちろん彼が何か伝えようとしてくれば、そのときには開けられるだけの引き出しを開けて、汲み取る工夫はしていきますが。

多分、心優しい彼の事だから、そうやって相手に考えさせてしまっている、ということすら考えているようにも思えます。
お互いにそうやって関係性を作ってきたという実感があります。

なので、プールではとても落ち着いて過ごせています。

ただ、そんな彼が最近、お漏らしをするのだとか。

お母さんの見立てでは「負の感情を表現」する術にしてしまっているのだとか。
言葉で伝えられないから、その代替手段として。

ある程度、場面や場所までは特定できているらしいのです。

ただ、そこで何を、あるいはどんな「負の感情」を表現したがっているのか、までは特定できずにいるのだ、という相談を受けました。
(実際には「近況報告」のような口調でお話をされましたが、お母さんの表情からは「どうしたんだろう?」「彼のことを知る手掛かりが欲しい」という相談事のように受け取れました)

これは、真剣に考えないといけません。

「僕のプールでは順調だから」なんていうスタンスでは、もちろんダメ。

手元にある情報、取りに行ける情報をフル活用して、彼の思いを探らなくては。

一旦、排泄が自立した子にとって、排泄を失敗するというのは、まず、感覚的に不快です。
そして、何よりもプライドが傷付きかねません。

彼がそのプライドを手放そうとしてまで伝えたいことがある、というその思いに近づかないといけないと思います。

彼のプライドを守るために、主張の方法を別の手段にすり替えることも必要かもしれません。

彼のプライドだけでなく、周りに誤解をさせないためにも。

ただ、慌てて早合点するようなことは絶対しちゃいけないと思うので、丁寧に彼の気持ちを探り、ほぐしてあげたいものです。

慌てちゃダメだし、わかった気になってもダメだし、放っておいてもダメ。

1つずつ、彼の様子から読み取り、汲み取っていきたいものです。

そして、彼自身を傷つけさせないために手立てを考えて講じていかないと。

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