キッズクローバーひかりが丘での学習サポート。
特別支援学校の中学部に通う男児の宿題を見ていました。
今日の彼の宿題(漢字の書き取り)は大変だったと思いました。
僕が彼の元に到着したときにはもう、取り組んでいて、扉を開けて入室するや、いきなり中指を立てて「おい!」と、挨拶されました(笑)
永田「何それー?」
男児「キルって意味だよ」
永田「そんな挨拶があるん?」
少し顔を真剣にして聞くと、やはり「あまり良くないこと」であることは分かっているみたいでした。
男児「ごめんなさい」
宿題を覗くとまぁ、難しそうなことしてました。
永田「宿題が終わらないんやろ?」
男児「…」
永田「一緒にしようか?」
男児「…いいです」
そう言って取り組み始めたけど「なんで、こんなことしないといけないんだよ」「なんなんだよ、ひどいじゃねぇか」「ああ、遊ぶ時間もなくなるじゃないか」「もうしたくないよ」
終いには半べそになりながら、足を揺すり始めました。
永田「手伝おうか?」
男児「…ちょっと出てくる」
部屋を出て、他の部屋で過ごし始めました。
戻ってこられるかな?と、しばらく側で様子を見ていたら、他の子にちょっかいをかけ始めてしまいました。
イライラの捌け口みたいに、ちょっとしたキックやらパンチを友達に向けてしようとします。
ほとんど当てるところまではしないんです。
彼自身もイライラしていることも、なんでイライラしているかもしっかり自覚しているんですよね。
健気すぎる。
それでも僕には「本当は終わらせたいんだよ」「このままはイヤだ」というように見えたので、ちょっとアクションを起こしてみました。
永田「あれあれ~?八つ当たりしてるのかなぁ?」
男児「うるせぇなぁ♪」(僕が来たことを少し喜んでいるような反応)
八つ当たりの的にされていた子に変わって、少し彼の相手をしました。
最初は僕へもパンチをしようとしてきましたが、止めてあげる(他の方法もあるよね、という思いを持って)と、直におんぶしてきたり、抱っこっぽくしがみついてきたり…
(よし、上手に甘え始めたかな?)
そこで再度切り出しました。
(他の支援者からも「宿題は?」と繰り返し聞かれていて、プレッシャーにもなっていたし、そこから出してあげたかったし)
永田「一緒に部屋に戻ろうか?」
男児「全部答え教えてくれよ」
永田「僕が横で書くから、それを見て書いてごらん。どう?」
男児「全部か?」
永田「おう、全部だ」
部屋に戻って宿題の残りを始めました。
僕が紙に書くのを、それはそれは真剣に確認しながら。
全て終えて「良かったね」と声をかけたら「うん」と。
「おい」から始まった彼が「うん」という可愛らしい返事を。
まーるくなった感じがしました。
僕自身、家庭学習というのは大切だと思っています。
「必要」なのではなく「大切」なんです。
サポートをする、支援をする立場からするとそう思います。
だから、僕は「次の時までにしておいて」ということについては、すごく慎重になります。
「次」までは、子どもが1人で向き合うことになるから。
それが必要か?という問いを自分に向けてからにしています。
課題を出す、出さない、出すならどんな内容で、どんな狙いで、ということを思わないと。
特別支援というのなら、なおのこと。
何のための特別支援なのか?ということ。
家庭学習で傷ついたり、挫折を味わうようなことにはして欲しくないものです。
なんか、今日の宿題は「難しかった」ように思います。
彼にとっても僕にとっても。
家庭学習は学びの定着、自信や意欲を育むきっかけ、安心感を掴むものであって欲しいと、支援者としては願います。
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