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2020年3月2日月曜日

絵カードの利用について

視覚支援として、絵カードを使うことは多いと思います。
自閉症スペクトラムのような視覚優位と言われることの多い子への支援としても代表的です。

それに加えて、そもそも人間は視覚情報に頼るところが大きいので、特性のある子への支援とは別に、
多くの子どもたちの保育、子育てにも有効であることが多いです、

ですが、「絵カードってどんなものを用意すればいいの?」という話になると難しいことが多いのも事実です。

ネットなどから無料で使用できるイラストなどもありますが、そのイラストが対象児に効果的なのか?だとか、絵カードをしようする目的に沿ったものなのか?
と迷う事ってあると思います。

僕の場合は、既にその子との付き合いがあり、必要と判断したときには、基本的に手作りをするようにしています。
その時に、どんな風にカードのイラストなどを用意していくかということを紹介したいと思います。

まず、カードを用意する際に押さえておかなくてはいけないのは、「カードを利用してどういう姿を目指すのか?」ということです。

短期的にどういう姿になって欲しいのか?長期的にはどんな姿を目指すのか?

そういう事は最低限必要だと思います。
そして、「今はこういうカードを使っていって、次第にこんな風にしていきたい」という計画的なものを出来れば持ちたいものです。


僕の基本的なスタンスとして「支援は必要だけど、無い、あるいは少ないに越したことない」というところがあります。

ですから、「今、この手立てで落ち着いているから、いいや」ということはあり得ません。
今ある支援をどうやったら減らしていけるかな?ということを考えながら支援をしていきます。

絵カードの使用に関しても同様です。



絵カードの類は、「具体的であればあるほど伝わりやすい」というのは分かりやすいと思います。
ですから、「文字だけ」よりも「文字とイラスト」となりますし、もっと具体的にしようと思ったら「写真(+文字)」という風になります。

さらに細かく言うのなら、「背景の有無」という事にもこだわることになると思います。
当然、不要な背景であれば無い方が具体的、という位置づけになります。
事例によっては、写真を用意して、さらに背景を切り取って、対象物の写真のみを白紙に貼ることでつたわるようになったということもあります。


そうやってまずは、今の段階に即したカードを用意する必要が当然あります。

そして、そこから少しずつ象徴的な方向へ向かうということを、僕は目指すことが多いです。

写真からイラスト、それから文字へ…という具合にです。
例えばトイレのカードであれば、トイレの写真からトイレのイラスト、「W.C」みたいな記号、文字…のように。


こうする理由は、社会生活、地域生活に適応をしていくためです。
ショッピングモールなどでトイレの案内を写真で示しているなんていう事はほとんどありません。
トイレを象徴するマークであったり文字で表記されているわけです。

それを自分で見つけて、向かうことが出来れば、それはとても便利です。


そういう理由から、僕は段階的にカードを作り替えることを勧めています。

それから余談ですが、稀に「今のその子の段階を知るため」に象徴的なものを用意しておいて、理解できるのか?ということを試みることもあります。
文字からイラスト、そして写真とさかのぼって、「あ、この子はこのくらいの段階で理解をしていけるんだな」という確認していくことがたまにあります。
頂いていた情報というのは、基本的に情報提供者の視点が入っていますから、僕との関係性の中でも必ずしも情報と一致するとは限らないですから。
違和感を感じたときには、そうやってためすことがあるのです。


こうやってカードの導入をしていっています。

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