子どもたちの特性云々を知っていくことは、適切な支援や保育をしていく上では欠かせません。
けれども「特性って言われてもなぁ」という人もいると思います。
そんな時に僕はどのようにしているか?ということを紹介したいと思います。
ですが、その前に、特性を知ることが適切な支援や保育に欠かせない理由を考えていきます。
「特性も個性の一部であり、それを知ることが『その子理解』を深めることです。それが出来なければ手立ても講じられない」
ハッキリ言って、これに尽きるわけです。
もちろん特性ある子と過ごす上で、事前情報というのはあると思います。
事前情報は、書面と簡単な引継ぎ等で伝わることが多いです。
それだけだと物足りないと感じることが多いですよね。
例えば発達検査の結果。
そこに「こだわり」だとか「視覚優位」だとか「多動」だとか書かれていても、実際の姿を想像できるかというと、初めのうちは難しいと思います。
慣れると字面からでも、その子の様子などを想像していくことが出来るようになって、事前準備がより的確なものへとなってきますが。
でも、それらの特性が日常生活の中で、どのように表出するかというところが現場では気になるところです。
書面から思い描いていくことは難しいかもしれません。
そこを支えるのがエピソードです。
子どもの様子を伝える様々なエピソード。
これがとっても大切です。
では、エピソードでどのように活用するか?ということですが…
気になるエピソードが複数あったとします。
そこには必ず特性が現れているはずなんです。
その子の良さの際立つエピソードであれば、そうさせる特性があるはずですし、困り感のあるエピソードであれば、困り感につながる特性があるはずです。
良いエピソードは良いエピソードで集めて並べてみます。
続いて困り感のあるエピソードは、それで並べてみます。
そうした後に、それぞれの共通項や例外を考えていくのです。
その先に手立てのヒントがあります。
一つ事例を紹介します。
自閉症スペクトラムの子です。
事前情報として書面に「変化や変更に弱い」ということが書かれていました。
実際のエピソードとして、「急な時間割変更などがあるとパニックを起こした」「年度の切り替えなどで学年やクラスが変わると情緒が不安定になる」ということが挙げられました。
ですが、その一方で「旅行が好き」というエピソードが出てきました。
「旅行に行くと、ものすごい楽しんで普段の臆病気質がどこかへ行ったようにして、新しいことへチャレンジする」というのです。
旅行というのは変化の連続です。
むしろ非日常なわけですから、それ自体が変化です。
そこには、「変化変更が苦手」という共通項と「旅行だと新しいことにも挑戦できる」という例外があるのです。
では、変化や変更に対応できない日常と、それだけ苦手な変化をものともせず突き動かす旅行の差は何か?と考えるのです。
基本的には旅行の中にある楽しさがそうさせるのでしょう、そういう要素を日常に織り込むことが出来れば、変化に対しても対応したり、あるいはそれ自体を楽しみ始めるかもしれないということです。
他にも「視覚優位」である子が、公園とかで虫を追いかけるのが好きだというエピソードと共に会議の場で取り上げられました。
そこで「周囲の目もあるから出来るかは分からないけれど…」と前置きしたうえで「普通売られている虫網よりも捕獲する網の部分を小さくしたりして難易度を上げてみるのは?」みたいな、その子の特性による欲求を満たせるような手立てを提案したことがあります。
子どもの様子の中には「その子に必要なこと」が現れます。
それをエピソードを集めることで炙り出して、手立てに繋げていくのです。
手立てを考える際にはぜひ取り組んでみてください。
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