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2020年3月4日水曜日

困り感を具体化していく作業

たとえば、保護者や支援者仲間からの相談をこんな風に受けることがあります。

「子もがいう事を聞かなくて大変」

「子どもが反抗的で大変」

「いけないと伝えていることを何度も何度も言っているのに繰り返す」

(まぁ、そもそも子どもも一人の人格のある人間で、大人の所有物ではないということを理解していないと、そもそも関係性が良くなるということはなかなかないでしょうが)

確かに大変なのだと思います。
ですが、こういう相談の仕方をしてくる相談者は、パニック状態なので具体的な話が出てこないというところが、この場合の困り感を膨らませている要因でしょう。

それを具体化していくということがとても大切です。

いっつも子どもがいう事を聞かない訳でも無いでしょうし、何か言えばすべてに対して反抗的なわけでもないでしょうし、繰り返さないこともあるでしょう。

ですから、こういう時は具体的な場面をいろいろと挙げていくことからスタートすると良いと思います。

一日を通して、上手くいっていること、困っていることが、どんな場面でどんな行動によるものなのか?ということを明らかにしましょう。

そして、これまでの対応、その結果どのようになったのか(当然、相談に来るということは、相談者の思い描いていた結果にはならず、だったのでしょう)を振り返ることをします。

そうすると“子ども側”の「上手くできていること」「上手くいかなかったこと」と、“相談者側”の「上手くいっていること」と「上手くいっていないこと」が分かります。

ここまで整理すると「どうにもならずに困る」「何とか対応できている」「問題なく対応できている」ということが見えてきます。

そして「どうにもならずに困っている」という場面から、対応の方法を考えていくということになるはずです。
その時に参考になるのが「上手くいっている」ことです。

「どうにもならずに困っている」ところと「上手くいっているところ」では、そこに差というか違いがあるはずなのです。

日常的な話だと困り感を覚える場面というのは複数あるのかもしれませんが、こういう手続きを経て、的を絞って、その子に適した手立てを講じていくということが大切だということを覚えておくと、まるで真っ暗な中で日常的な支援や保育、子育てをしてきたところへ、ある種の希望のようなものが光指すかもしれません。

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