発達障がいを持っている子どもたちの中には、活動の途中で疲労感を訴えて、活動から離脱してしまったり、その場で座り込んだり寝転んだりしてしまう子がいます。
それは、いわゆる定型発達の子どもたちと比べたときに、感覚に偏りがあったり、筋力等が不十分であるなどして、疲れやすいということがあります。
もちろん個人差があるものなので一概には言えませんが、周囲の子の多くが出来ているから、という理由で「同じように」を求めると、子どもにとっては辛いものになってしまいます。
それを見守る大人の方でも「同じように」を求めようとすると必要以上に熱が入り、子どもと衝突することになりかねません。
そうなると誰のためにもならない、時間になってしまいます。
そこで大切になるのが、休憩の取り方です。
休憩を取る時に考えたいこと、2つをご紹介したいと思います。
まずは、タイミングです。
「早めかな?」と思うくらいのタイミングで取ることを僕としてはお勧めしたいです。
何故か?
不要な失敗体験を積ませないためです。
早めに、細かく、休憩を取ることで、対象児童に「出来なかった」という思いをさせないためです。
「出来なかった」という思いを募らせると、作業どころか、場や時間そのものにも「嫌なもの」というイメージを持ち始めてしまい、これまでできていたことまでできなくなってしまう、というようなことに繋がる恐れがあります。
こまめに休憩を取って、「出来たよね」という確認をしていくことが大切かもしれません。
そして、休憩の間隔は、成長と共に少しずつ伸びてくることが大半なので、そこを待つということがも支援だと思います。
ちなみに、今「不要な失敗体験」という言い方をしました。
個人的には、失敗も体験です。
未経験や経験不足よりもずっと素敵だと思うのです。
よく発達障がいを持つ子どもへの対応で、「失敗体験でなく成功体験を」みたいなことが紹介されます。
ですが、失敗体験を生涯にわたって避けるなんていうことはできませんし、そういうものもあった方が「人間らしい」生活だとも思います。
してもいい失敗体験と、しなくてもいい失敗体験があると思うのです。
そういう意味で「不要な失敗体験」という良い方をしました。
さて、話を戻します。
休憩を取る時に考えたいことの2つ目は、どんな休憩にするか?ということです。
「休憩」という言葉を見聞きして、どんなことを思い描きますか?
寝ている姿を想像する人もいれば、伸びをしている姿を思い描く人もいるかもしれません。
他には、お喋りしたり、ストレッチしたり…休憩から連想されるものは様々です。
ですから、子どもも同じだと考えるべきです。
その子に合った休憩があるのです。
じっとすることが必要な子もいますし、動くことが休憩になる子もいます。
遊ぶことが休憩になることもあるし、本を読むことが休憩になる子もいます。
僕と一緒にプールをしている子の一人で、休憩中にはくるくると回りたがる子がいます。
「回して」とせがんできて、水中でグルンと体を回してあげるのです。
「この泳ぎをするよ」ということで、一定の姿勢を保持して、指定された動きをして、ということで緊張するのを、休憩時間にグルンと回ったりして解すのです。
身体自体は、この時には休まっているように見えないかもしれませんが、これが彼にとっての休憩なのです。
これを取り入れてから、彼の集中力や体力はみるみる向上しました。
試験と試験の間の休憩時間に「休憩」と言われてもなかなか休まらないものです。
これはもちろん試験に対する緊張もあるかもしれませんが、周囲の目もあり、なかなか自分に合った休憩が出来ないから、緊張して疲れるのです。
こういう例からも分かるように、休憩は、早めに、そしてその子に合った休憩を確保していくということがとっても大切です。
是非、目の前の子どもたちにとって、休憩はどういうものが良いのか?ということを考えて見て下さい。
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