今日、作文指導で少し挑戦的な課題にチャレンジしてみました。
この春中学生になったK君への永田からの挑戦状のようなもの。
課題
「ジャガイモについて自由に書きなさい」
ジャガイモを目の前に置き、それについて思うこと、観察、考察、意見、連想するもの…。
自由に書きなさい、というもの。
これはとっても難しいです。
30分で時間を区切ることを伝えて、よーい始め!
…。
なかなか書けず、30分経った後に「一緒に言葉を見ていこう」と提案して、これまでに出てきた言葉を書き出してみることに。
書けなくても頭の中で呟きのようにして出てきた言葉はあるはずなんです。
それを拾い出して、その言葉を起点に、質問を繰り返しながら言葉を紡いでいきます。
このやり取りが面白いのです。
成果物として作文が出来上がるか否かは別問題。
やり取りに意味があります。
このやり取りになぜ意味があるのか?
これから書くことを読んで頂けると、幾分か分かるかもしれません。
K君から言葉を引き出していくうちに「普通すぎる」という言葉が出てきました。
ジャガイモとして、普通すぎるのだそうです。
永田「じゃあ、ジャガイモの普通って?」
K君「自然な感じ」
永田「自然?」
K君「整えられてない感じが」
永田「それがジャガイモの普通ってこと?」
K君「うん」
永田「じゃあ、『普通』を辞書で調べてみよう」
…。
『いつ、どこにでもあるありふれた様』という説明が出てきました。
K君、察しが良いのでなんか違和感を覚えてくれたようです。
『いびつ』であることが『普通』である、という点は着目すると面白いものです。
ジャガイモを2つ並べて形が異なってもジャガイモだと認識できるのです。
個性の話にもなっていきます。
体格も顔立ちも性格も違うけれど「人」として認知していくんです。
こういう話を論じれる可能性をK君は秘めているんです。
実際に会話でのやり取りでは、それに近いものに及びましたし。
それから、「ジャガイモは世の中の役に立っている」という言葉も彼から出てきました。
これが可笑しかった。
永田「ほう、どんな風に?」
K君「印鑑が(ポソッ)…。」
永田「?なんて?」
K君「印鑑が必要なときに作れる」
永田「あはははは!それ面白い!『世の中の役に立っている』で一番最初にそれが出てくるって、とっても良いと思う!あなたらしい!僕は食料としてのことかと思ったもん。他にも役に立ちそうかな?」
K君「水に浸したら蔓が伸びてくる…。」
これまた種芋の話を持ってきて、食料の話でも斜め上をいかれた感じがして、僕はとっても嬉しくなりました。
成果物にとらわれない、作文指導でした。
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