「はい、ながたでございます」
幼稚園児の頃、母から教えられた電話を受けた際の初めの挨拶。
「はい、しょうしょうおまちください」
幼稚園児宛に電話が掛かってくることなど、ほとんど無いので大概が、親への取り次ぎになる訳です。
携帯電話もほとんど普及しておらず、家の電話もよく鳴っていました。
家の電話がなる頻度というか回数の母数が多いと、必然的に親が電話を取れない時も多くなり「じゅんや、代わりに出て!」と頼まれる事も増えます。
そうして辿々(たどたど)しく電話を取りました。
「はい、ながたでございます」
「お母さん(お父さん)ですね」
「しょうしょうおまちください」
「お母さん(お父さん)!○○さんからでんわだよ」
あるいは
「いま、でられないのでまたかけます」
と先方に伝えていました。
携帯電話が普及して、電話を受ける経験をする子どもって減っている気がします。
大概の連絡先欄に携帯の番号を記入し、用事があれば本人に直接連絡しますし。
それが双方にとって「効率的」であったりします。
学校の授業の一環で、どこかに電話をする機会はあるかもしれませんが、中には自分の携帯を所有するまで、電話を受ける経験をする機会が無いという子も多いのではないでしょうか?
僕自身の個人的な、30代になって思うところではありますが、幼い頃から電話を受ける経験をさせてもらっていて良かった、と思っています。
「おきゃくさま」と電話で話をして、丁寧に話さないといけない場面があることを肌で知り、上手に取り次ぎが出来たら電話越しの「おきゃくさま」からお褒めの言葉を貰って喜び…。
個人情報云々、安全云々…。
今の時代の価値観から言うと、「ザル」のようなこともたくさん小さい頃にはしていた気もしますが、あれはあれで良いものだったと思います。
効率化で子どもの経験も省かれている事ってたくさんある気がしてなりません。
0 件のコメント:
コメントを投稿