半年前には「ゆとり」とか「間」の作り方、持ち方がどこか落ち着かない感じがした女子中学生のYさん。
プールの合間に「一息つく」ということがなかなか出来ずに、常に緊張していて
、間を長く取ろうが、声の強弱や深みを変えてみても、ゆるーい感じの言葉を選んでみても、泳ぐという段になると「あ!あ!」という具合にあわあわしていた子でした。
それから、物理的に距離が空くと途端に泳げなくなるという子でした。
自信の無さ、分離不安、そういうものが見て取れる子でした。
僕はとにかくそういうところに触れて支援をしたいと思ってきました。
そんな彼女との年内最後のプール。
多少人混みになるとドキドキしているようですが、身体の緊張もかなり抜けて、「間」「ゆとり」みたいなものを持つのが上手になってきました。
プールの中では僕と夫婦漫才みたいなやりとりもする余裕が出てきました。
「よーし、次は○○泳ぎいくよー」という声かけにも(さてと…)みたいなテンポで準備をして、合図に備えられるようになりました。
これだけで、彼女とのプールの時間は意味あるものになりました。
泳げるようになる、という成果ももちろん必要かもしれません。
(彼女の場合は、その成果も表れていて今では600メートル程を一時間のうちに泳いで帰ります)
だけど「泳げる」というだけでは、決して彼女(他の子も)の人生が豊かになったり、世界が広がったりすることはないのです。
ツールはなんでも良いのです。
プールでも学習でも遊びでも。
そういうものを通して、「人って悪くないな」とか「世界って捨てたものじゃないな」とか思えたり、意欲とか夢とか希望とか好奇心とか、内から湧き出るような、熱を帯びたようなものが芽生えたら良いと思うのです。
彼女とのプールではそれらが育まれていると手応えを感じられた良いプール納めでした。
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