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2017年1月15日日曜日

自分のことを客観的に見られるようになり始めているS君の話

「あれもやりたい」「これもやりたい」という気持ちというか、好奇心というか…
その為に次から次へと時間を惜しむように手をつける癖のある男の子S君。

今日は、そんな彼の成長を見た気がしました。


放課後等デイサービス「えるそる むなかた」での学習サポート。


いつも「永田先生~これ見てください」と課題を持ってくる可愛い男の子S君。
いつも学習を本当によく頑張っています。

彼の課題は「一つずつ終わってから次に行く」ということ。
これに尽きるんです。
学習にしても、遊びにしても、人とのやり取りにしても。

そこがネックになって、いろんな場面で躓いちゃっているように僕には見えます。
なので、この数か月彼には、唯々そのことを求めてきました。
「一つずつ終わらせてから次に行きなさい」と。



彼のエピソードで言うと…

国語の課題をやっている途中で、「ここから先は時間が掛かりそうな問題だから、算数を先にしよう」といって中途半端にしようとするものだから、「やり忘れ」が目立った時期もありました。

「先生これ、確認してください」といって見せたら、自分はお手空きになると思うのか、遊びの方へ向かおうとすることもありました。

気になることがあると、荷物も広げたまま別の部屋にいってしまうこともありました。

トイレでさえ、流し忘れや手を洗うことをせずに「なんだって~?」と他の人のやり取りに首を突っ込みながら出てこようとしていました。

遊びもカードゲームをしていても座る位置は他の遊びをやっている子に近い位置に取ることが多く、どちらも中途半端に遊ぼうとすることもありました。

扉を閉めずに退室するなんて日常茶飯事でした。


その都度「一つずつ」「今、何をしているんですか?」「終わったと?」「やりっぱなしにしない」と僕から言われ続けてきました。
(それでも毎回寄ってきてくれるのが可愛いんです♪)


平たく言うなら「落ち着きがない」という感じです。

現在進行形のものもありますが、出会った頃に比べると度合いは随分と小さくなってきました。



今日も同じようなことを僕から言われもしましたが、途中で「あ、一つずつ」と自分で口に出して、踏みとどまった場面がありました。

扉を閉めに戻ってきた場面もありました。

「ちゃんと片付けてから出ていってください(片づけはせずに退室しようとしてしまった)」と自分の持ち物だけでなく「これはもう片付けて良いですか?」と部屋に据え置きの鉛筆削りを所定の位置に片づけて良いのか確認をする場面もありました。


どの行動も「当たり前」かもしれないけれど、彼がこういうことに気が付くこと自体が前進なんです。
次の行動に行く前に「終わっているか確認する」「振り返る」ということをする。

そうやって自分の立ち位置みたいなものを客観的に把握していけるようになっていく。

これが習慣になると、今、彼が抱えている躓きの多くが解消されると思われます。

学習面も遊びもやり取りも…深められるようになってくるはずなんです。


さ、3学期、いろんな子の成長がにじみ出てくる時期、たのしみです。
これを受けて次年度のことをこちらは考えていきます。

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